運用例を3パターン掲げます。
1.日々の労働時間を変動させる
2.労働日数と休日数で総労働時間を調整する
3.前記1と2の組み合わせ
1.日々の労働時間の長さを変動させる
「2週間」の変形労働時間制を採用したものと仮定します。
業務量は1週目が少なく、2週目の週末に集中するケース。
1週目の労働時間を減らし、2週目の労働時間を長く設定しました。
本来の労働時間
変形労働時間制を導入後
このように、業務の繁閑に合わせてある日の労働時間を短くし、他の日の労働時間を長く設定することが可能です。
また、労働時間の調整は、同一週内だけではなく、上図のように変形期間内の異なる週の労働時間を調整することもできます。
上の例では、2週目の木曜日と金曜日の労働時間は8時間を超えていますが、変形労働時間制の導入により、各日とも9時間までは割増賃金(2割5分以上)が発生しません。
2.労働日数と休日数で総労働時間を調整する
前記1のように労働時間の長短による調整ではなく、特定の日を休みとし、従来は所定休日であった日に出勤させることも可能です。
これにより、業務が集中する週の稼働日数や労働時間をあらかじめ長く設定することができます。
「労働日と休日との振替(休日の振替)」とも似ていますね。
ところが、割増賃金の発生有無について差異が生じます。
前記2の扱いを
「休日の振替」で実施したとき
→2週目の労働時間が48時間となるため、40時間を超える分(8時間)に対し、割増賃金の支払いが発生します。
変形労働時間制の導入により実施したとき
→2週目の40時間を超える分(8時間)に対する割増賃金の支払いは不要とされます。
事例2を用いた変形労働時間制活用の例【長期休暇を導入する】
変形労働時間制の1つである「1年単位の変形労働時間制」を使い、閑散期に長期休暇(労働時間0時間の日)」を何日か設け、その分を繁忙期に労働させる、といった使い方も可能です。
3.前記1と2の組み合わせ
1週目が比較的落ちついており、2週目に業務が集中する例を取り上げます。
ここでは、1週目の火曜日を休みとして1週間の労働時間を減らし、2週目の火曜日から金曜日までの所定労働時間を10時間としています。
この例では、2週目の火曜日から金曜日に8時間を超過して労働させていますが、各日とも法定労働時間を超える2時間分に対しては、割増賃金(2割5分以上)は発生しません。
3つの例を掲げましたが、各社の業態に応じて他にも様々な設定は可能です。
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